手元にある本(ヴィクトリア朝百科事典・河出書房新社・谷田博幸著)という近世イギリスのヴィクトリア朝について書いてある本の61ページに、自転車についての記述を見つけました。
1895年(明治28年)8月に「レイディ・サイクリスト」誌の記事の文中にルイーズ・ジェイという人物が自転車が女性にもたらした効果について記載しています。
その本によると、自転車とはヴィクトリア朝時代どのようなものだったかここで紹介します。
…………….ここより抜粋…………….
新たな夜明け、解放の夜明けが来ている。そしてそれは、自転車によってもたらされたものだ。
(……)今日の若い女性は真の自立を感じることができる。体を鍛えながら心ものびやかに育んでいるのだ。
(……)自転車が登場する前の生活というものが、なんとちっぽけで窮屈なものに思えることか!
…………….ここまで抜粋…………….
つまり、自転車ほど自分が独立した個であることを認識させ、女性の社会的解放に大きな影響をもたらした道具はないという。ちなみにヴィクトリア朝当時の女性には安定感のある三輪車が特に人気だったという。
この自由で開放感のある乗り物は海を渡り日本に渡来し、明治の人々の心をつかみ、大正時代にタキイ商会を発足させた瀧井利作の心もつかんだのでしょう。
時代が下り平成の現代、その解放という意味の精神は薄れつつあるものの、自転車とは新たな未来に向かって進化する乗り物だと私は思っています。
2013年3月1日
タキイ輪店
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