おばあさんの格言

以前、瀧井美代子に商売のコツというものを聞きました。
店を潰さないにはどうしたらいいか、店を大きくするにはどうしたらいいのか。
僕はそのコツを尋ねました。

おばあさんは、どんな商売でも「豆ったくやって嘘をつかなければ成功する」と答えました。

商売は競争じゃない。自転車屋に関しては商圏というものが場所によって決まっているし、今ではだいぶ弱くなってしまったけれども、自転車屋同士のネットワークがあって、持ちつ持たれつでやっている部分も多い。

他人を蹴落として大成功を納めようとしたってそれは失敗の元だと。
コツコツやっていくことが成功への近道なのだと。
おばあさんは僕に教えてくれました。

2013年2月11日

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以前、瀧井美代子に「袋を捨てるな」と怒られたことがあります。
それはコンビニの袋だったのですが、商品を出してその袋をゴミ袋に捨てようとしたときに、怒られました。

私(瀧井美代子)の親は長嶋金次郎という宮大工で、木の屑一つ大切にする人だった。それを捨ててしまったらゴミだけど、必ず何かの役に立つ。
袋だって、何かを入れる袋にもなる。捨ててしまったらまた袋を買わなければならん。

終戦直後、物が無い時代、少女だったおばあさんは闇市で食べ物を探していました。もちろんお金はもっていません。でも、野菜売りは白菜の外の皮を捨てて売っていました。おばあさんは、その野菜売りに、この皮はもらえますか?と尋ねると、もっていっていいと言われたそうです。

米を持っていても、それを炊く道具がありませんでした。生米を持っていて、隣の人にこれを分けますが食べますか?と聞いたら「私は生米は食べません」とその人は言いました。しかし、おばあさんは、捨ててあった白菜の皮も、生米も食べて生き残りました。

それ以来僕は袋一枚も捨てることはしなくなりました。

 

2013年2月5日

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